5周年のなんやかんや。

barrette&creamは4月18日に5周年を迎えました。

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5年間というのは、

月数にして60ヶ月。

週数にして260週と6日。

日数にして1826日。

時間にして43824時間。

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まあ、細かく計算した意味は特にありませんw

まだそれしか経っていないのか、という感覚と、もうそんなに時間が経ったのか、という感覚が交互に押し寄せる今日この頃です。

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元々、何周年とか、記念日とかっていうものにほとんど興味のないタイプであると自負していますが、こうやって折りに触れて感慨深げでセンチメンタルな気持ちになってしまうあたり、単に興味のないフリをしてカッコつけているだけなのかもしれません。

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美容師という仕事を目指した中学2年の時(中2の進路希望調査にそう書いて提出した)から、やるからには1人で独立し店をやる、ということを目標に掲げ、暇さえあればお店の構想に明け暮れ、美容師の仕事の本質みたいなものを常に自問自答してきました。

そして目標の1年遅れの31歳の時にオープンした今の店。

自分の理想やわがままをとことん叶えて、やりたくないことは徹底的に排除し、一般の宣伝広告の媒体を一度も使わずに営業してきたにも関わらず、今に至るまで一度も赤字になることなく、生活するにも特に困らずにこれたことにまずはある一定の達成感みたいなものを感じています。

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言うまでもなく、これまでお店に来てくださった全てのゲストの皆様には感謝してもしきれません。お店である以上、ゲストの定期的なご利用があって初めて運営が成り立ちます。

ですが、「お店に来てくださって感謝します、これからもどうかご贔屓にお願いいたします」といって平身低頭するのは、全く否定するつもりはなくとも、うっすらと古めかしい気風が漂う感じがするというか、どうも個人的にあまりしっくり来る形ではありません。

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むしろ、目指したいものは少し別のところにあります。

この店がないと困る、あなたがやってくれないとダメ、高レベルの技術とセンスのサービスがリーズナブルに受けられて自分にとってなによりお得、とゲストに思っていただけるような存在を目指したいのです。

言い換えれば、私が提供し得るものの中で、ゲストのベネフィット(利便性、利益)とサティスファクション(満足)にとことん向き合い叶えることで、まずは自分(私)が満足する店でありたいのです。

そういう意味ではbarrette&creamはゲストのことを何がなんでも1番に考える店、ではありません。

(例えるなら「ウチのラーメンがまずかったら来なくていいよ」というスタンス的老舗ラーメン店のもうちょい柔軟でスマートなバージョン、とでも言いましょうかw)

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現実問題、100人の人がいたとして、私の力でその100人に100%満足してもらうことはできません。どんな美容師であってもそれは無理です。良し悪しの問題以前に審美眼の違いや好みや生活水準の違いなどが絶対に介在するからです。

そうであれば、石を投げれば当たるほど美容院がたくさん存在するこのご時世、私が髪を触る意味がどこにあるのかと問われれば、まずは「自分の満足」という以外にはないと言えます。ゲストの満足はいつだって私自身の(そして家族の)満足の上に確立されていたい、と常日頃思っています。

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と同時に理解してもいます。これが大きな理想論であり、自分の中に大いなる矛盾が存在するということを。

なぜなら私はこれまでに1度だって自分の仕事に100%満足したことはないからです。いつもゲストを見送るたびに「もうちょっとこうできたんじゃないか」「少し攻めすぎたんじゃないか」「本当に喜んでくれたのか」と毎回思い、そして反省します。

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いつだって理想は遥か上、そして大きな矛盾が常に自分の中にあるからこそ、それをまたエネルギーに変えて明日から、そして6年目からも淡々と粛々とコツコツと、高みを目指し仕事をする所存です。

どうぞよろしくお願いいたします。

2021.04.20 | Posted in column, DiaryComments Closed 

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